(1) はじめに
前回の記事で、株式会社の法定公告の事例をあげて、通常は官報による場合が多いと書きましたが、もう少し深堀しようと思います。
(2) 公告と広告
ここでお話しする「公告」は、会社が決定する内容を正式にお知らせするものを言います。「広告」の方は宣伝であって、この「公告」とは全く別物で、任意のPR活動のことなので、混同しないよう注意してください。
(3) 株式会社が公告をする方法
公告は、決定事項を株主や債権者等に知らせるもので、何を公告するかは会社法に規定しています。それ以外の事項については、会社が決めた公告の方法でなくても問題ありません。ホームページを作っている会社のNEWSコーナーがその例ですね。
株式会社の登記事項として、「会社が公告をする方法」(は何か)が必要で、通常は定款に規定することがほとんどだということは前回書きました。会社法では、公告方法は、
以下の3つの方法によると規定されています。
① 官報
② 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙
③ 電子公告
なお、定款で定めない場合は、官報に掲載しなければなりません。
(4) 法定公告の種類
インターネットで「法定公告 一覧」と検索すると、会社法上かなり多くの法定公告事項が掲げられています。一般の株式会社ではあまり利用されないイベントがほとんどですが、法定公告を行う目的の多くが、株主や債権者への通知や権利の保護、少数株主や債権者からの反対や異議を申し出る権利の確保になります。代表例として、合併や会社分割などの企業再編行為や会社を解散・清算するときなどがあります。また、定例イベントとしては、以前お話ししましたように、決算公告があります。
(5) どの広告方法を選ぶか
上記した3つのうち、官報と時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙は掲載費用がかかります。官報は日刊新聞に比べかなり低額ですが、それでも決算公告だと7.5万円(小規模)~15万円(大規模)かかります。日刊新聞だとさらに高額となり、毎年必要となるとコストが気になるところです。
一方、電子公告は、ホームページを作っている会社の場合は、ホームページの更新費用くらいでコストがかからないのでお勧めですが、合併公告など、登記が必要な場合に伴うものは、電子公告の実施証明書を調査機関から入手する必要があり、これが1件10万円前後(合併公告など、1つの文面に2つの要素が入り2件とカウントされることがあります)必要となります。
判断要素として、「広告」ではありませんので、たくさんの人に見てもらえるかどうかは必要でなく、主にコストや利便性で判断されるべきです。
コスト的なおすすめとしては、合わせ技規定で、原則は官報に掲載するものの、決算公告に関しては、インターネットによる方法とするものです。ホームページを持っている会社に限られてしまいますが、これが一番おとくではあります。
定款の記載例は以下のとおりです。
「当会社の公告は、官報に掲載する方法により行う。ただし、貸借対照表に係る情報の提供はインターネットを使用する方法により行う。」
(6) まとめ
株式会社の公告方法は法律で3つの方法が規定されていますが、この中でおすすめは、原則を官報として決算公告のみインターネットとする方法です。次が官報のみによる方法です。現在決算公告を行っていない株式会社が相当数あるのは、費用の点も大きな理由と思います。とはいっても、株式会社の義務であるので、遵守したいものです。
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